はじめに
本記事では、AWSの基盤となる「VPC(Virtual Private Cloud)」について解説します。
結論から言うと、VPCは「AWS上に自分専用のネットワークを構築する仕組み」です。
この記事を読むことで、以下の内容が理解できます。
・VPCの基本的な役割
・サブネットやIGW、NAT Gatewayの考え方
・実務でよく使う構成(Web三層構造)
・よくあるトラブルと原因
AWSでインフラを構築するうえで、VPCの理解は必須です。最初に全体像を押さえましょう。
目次
- VPCとは何か
- VPCの基本構成
- VPCが必要な理由
- よくある構成例(Web三層構造)
- VPC作成時の設定項目
- 他サービスとの関係
- よくあるトラブル
- まとめ
1.VPCとは何か
AWSの中に作る「自分専用のネットワーク」
VPC(Virtual Private Cloud)とは、AWS内に作る自分専用のネットワーク空間のことです。
オンプレミスで例えると、社内ネットワーク(192.168.0.0/24など)をAWS上に再現するイメージです。その中にEC2、RDS、ALBなどのリソースを配置します。
AWSでインフラを構築する場合、すべてのリソースはVPC内に配置されるといえるほど、主要な要素です。
2.VPCの基本構成
全体イメージ図

図1:VPCの全体イメージ図
サブネットの役割
🟩 パブリックサブネット
・インターネットと通信するリソースを配置します。
例)Webサーバー、ALB、踏み台サーバー
🟦 プライベートサブネット
・ 外部から直接アクセスさせたくないリソース。
例)アプリケーションサーバー、DBサーバー
VPC→サブネット→EC2の順に階層が深くなるイメージです。
3.VPCが必要な理由
① セキュリティを細かく制御できる
VPCにはセキュリティグループ(SG)やNACLがあります。通信の許可・拒否を細かく制御できます。オンプレミスではファイアウォールを構築しますが、AWSではVPC内で設定できます。
② サーバーやDBを柔軟に配置できる
パブリックサブネットとプライベートサブネットを分けることで、Web → App → DBの三層構造を構築できます。
③ マルチAZで高可用性を実現できる
VPCは複数AZにまたがります。
これにより“片側のデータセンターが落ちてもサービスが止まらない”という構成が可能です。
4.よくある構成例(Web三層構造)
■ Webシステムの基本三層構造
図2:Webシステムの基本三層構造
この構成はAWSの教科書でも最もよく紹介される基本形です。
5.VPC作成時の設定項目
① CIDR(ネットワークの範囲)
例:10.0.0.0/16
→10.0.x.xを最大65,536個のIPアドレスを使用可能です。
② サブネット(AZごとに作る)
例)
10.0.1.0/24(パブリック、ap-northeast-1a)
10.0.2.0/24(パブリック、ap-northeast-1c)
各AZに最低1つずつ用意する構成が一般的です。
③ インターネットゲートウェイ(IGW)
インターネットと通信するために必要です。パブリックサブネットで利用します。
④ NAT Gateway
プライベートサブネットから外部へ通信するための仕組みです。
OSアップデートなどで使用します。
VPCと他AWSサービスとの関係
■ EC2との関係
EC2は必ずサブネットに所属します。
サブネットの種類によって、インターネット公開の可否が決まります。
■ RDSとの関係
RDSはプライベートサブネットに配置するのが基本です。セキュリティグループで通信を制御します。
■ CloudFront/Lightsail との違い
CloudFrontは、VPCの外側にあるCDNです。
Lightsailは簡易的な独立ネットワークで、VPCとは直接連携しません。
7. よくあるトラブル
① EC2に接続できない
主な原因は以下の通りです。
例)
・プライベートサブネットに配置している。
・IGWが設定されていない。
・セキュリティグループやNACLの設定が逆になっている。
・パブリックIPが付与されていない。
② RDSに接続できない
主な原因は以下の通りです。
例)
・App → DB のポート(3306/5432)が SG で許可されていない
・パブリックアクセスを誤ってオンにしている
③ NAT Gatewayの料金が高い
各AZに1つずつ配置する構成が基本です。1つに集約するとトラフィックが集中し、コストが増加します。
💡 Tips: NAT Gatewayは料金トラブルが発生しやすいサービスです。
まとめ
VPCはAWSネットワークの基盤です。AWS上に自社ネットワークを構築する仕組みと言えます。
・VPCは専用ネットワーク。
・サブネットはパブリックとプライベートに分ける。
・IGW、NAT Gateway、セキュリティグループ、NACLの理解が重要。
・三層構造を理解すると応用しやすい。
このポイントを押さえることで、AWSの基礎理解が大きく進みます。













